(公社)日本ボディビル・フィットネス連盟 JBBF (公社)日本ボディビル・フィットネス連盟 JBBF

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                                                     2002年10月22日


          第14回アジア競技大会2002釜山

             審 判 問 題 に つ い て

 
  

                                      社団法人日本ボディビル連盟
会 長  玉 利   齊

  10月4日に行われたボディビル競技80kg級の審判員の採点に関し、JBBFから選出された政枝勝憲審判のジャッジメントが極端に偏向したとして、審判長の役を引受けていたポール・チュア氏の指示により審判員の任を解かれた。 理由は、山岸選手を1位に採点したことが極端に偏った採点であるとのことである。
  政枝審判員は、ポール・チュア氏に呼ばれて他のジャッジの審査カードを見せられたとき、山岸選手を1位もしくは2位に採点した審判は無く、3位が2人と後は全員4位以下だったとしているが、短い時間で見ただけに正確には記憶していないと云っている。
  ポール・チュア氏は、現在IFBBアジア担当副会長・ABBF事務総長・ABBF審判委員会セクレタリーの立場であると同時に、今回のアジア競技大会に関してはボディビル競技のテクニカルディレクターとしての権限も、アジア競技大会組織委員会から委任されていた。 したがって、初めて参加したボディビルがアジア競技大会の主催団体であるOCAやメデイアから高く評価され、次回カタールで開催される第15回アジア競技大会にも正式種目になることを目指していただけにボディビル競技のドーピング問題と審判問題に関しては人一倍神経を使っていた結果、政枝審判に対してこの様な厳しい処置を取ったものと思われる。
  一方、政枝審判の立場としては、山岸選手は昨年(2001年)80kg級のチャンピオンでもあり、全階級を通じての最優秀選手とも云えるモストインプルーブメント賞も獲得している実績もあるので、アジア競技大会では相当な成績を上げるだろうとの期待感はあっただろう。
  実際に出場選手達を見ると85kg級で3連覇しているベトナムのリー・ダック選手や、80kg級で過去に何度か優勝しているマレーシアのロー・テック・レオン選手、韓国のリー・ジン・ホ選手等と並んでも山岸選手はコンディションも良く、彼等に引けを取らず、それぞれの差は些少で微妙と見たと思われる。
  そこで、政枝審判は、過去8年のABBF・IFBB審判としての経験に基づいて、自信を持って1位に採点したわけで、故意に日本選手を勝たせようとしたのではないと言明している。
  最終的には、決勝審査の結果、リー・ダック選手1位、ルー・テック・レオン選手2位、リー・ジン・ホ選手3位、山岸選手4位に決定した。
  周知の様に、ボディビル競技の審査形式は、まず最初にそれぞれの審判が予選出場者をピックアップし、最もピックアップの数が多い選手から順に予選出場が決定する。 次に、予選審査で審判が各選手に順位を付け、決勝審査も同じように審査して、予選と決勝の合計点が少ない者から順に1位以下を決定する。 つまり、審査員の最大公約数とも云える採点に基づいて順位を決定している。
  さらに、一定のレベルまでは誰が見ても上位と下位の差は歴然と判別出来るが、一定のレベル以上になると、物理的に測定出来ないので、どうしても各審判員の主観が反映することは止むを得ない。
  このことは、オリンピック競技でも、体操・フィギアスケート・シンクロナイズスイミング等の芸術競技と云われる種目は採点をめぐって物議が多い最大の理由である。
  はっきり云って、政枝審判のジャッジは彼の主観に基づいた結果で不正ではない。
 しかし、結果として4位になったことは他の審判の衆目の一致するところとの差は認めざるを得ない。
  スポーツ競技でルールに基づいた審判の裁定を認めなかったら競技は成立しない。 他の階級の順位についても妥当か否か考えさせられる事実もあった。
  このことについては、今後ABBFの内部で審判技術とモラルのより一層の向上を図ることが今後の重要な課題である。
  尚、政枝審判は、「自分は信念を持って1位に採点したが、結果として4位となったことはJBBFで審判を指導する立場の審査委員会委員長として技術的な責任を感じるので委員長は辞任したい」との意思を表明し、JBBFは10月12日の総会で、その意を汲んで辞任を受理した。
  JBBFはABBFに加盟以来、一度もドーピングの失格者を出したことも無く、採点結果等に不服を申し出たことも無く、常に正々堂々と競技に臨んで来ただけに、政枝審判の男らしい態度を無にすることなく、今後のABBFの審査がより正確に近づく様、提案すると共に、客観的に見ても文句の無い強い選手の育成に力を注いでゆきたい。
                                                         以上